個人事業主として開業届を提出してから3年がたち、確定申告をするのも3回目を迎えました。
1人分の確定申告の方法については、他所でひと通り調べた方が良いかと思います。
今までのおさらい
1回目の確定申告 副業として
1回目の確定申告は副業として行いました。
サラリーマンの副業の場合には、基本的な生命保険料や配偶者控除などの控除類の事は年末調整として会社が行なってくれるのであまり考えることはありません。ただし、配偶者が個人事業主の場合には、年収が未確定ですので、配偶者控除は後から自分で確定申告する必要があります。
自分の場合は配偶者控除の対象ではなかったので、それぞれが確定申告を行うことにしました。
2回目の確定申告 フリーランス1年目
2回目の確定申告はフリーランス1年目であまり詳しくなく、複式簿記も初体験でしたのでソフトを買ってやりました。青色申告ソフトとしては、やよい会計のものが評価が高そうでしたが、Macで使える青色申告ソフトの「やるぞ!青色申告」で帳簿を作ってやりました。Windows版はわかりませんが、Mac版の「やるぞ!青色申告」は簡単でしたが操作性などイマイチだったかなと思います。
最近はクラウド会計ソフトと言いますか、オンラインで出来るものが増えています。色々なところが運営しているのですが、次の3つあたりが有名だと思います。
このクラウド会計で一番有名なのがfreeeだと思います。口座情報を登録しておけば地頭的にデータを取得して仕分けしてくれます。
もうひとつfreeeのライバル的な存在なのがクラウド家計簿で有名なMoney ForwardのMFクラウド会計だと思います。こちらも30日間は無料ですが、今年の確定申告を乗り切れるかと言うと微妙ですが、サポート体制は厚いみたいなので確定申告初心者はお金払ってでも良いかもしれません。
やっぱり、やよいが良いよと言うのであれば、青色申告オンラインであればオンラインで完結してソフトを購入する必要はないのでMacユーザでも普通に使えるのではないかなと思います。
個人的に勉強の意味も含めて複式簿記でやりましたが、奥さんの方は簡単に済ますために単式簿記です。複式簿記の場合には控除額が65万円もあるのに対して、単式簿記の場合には控除額が10万円しかありません。この差は結構大きいなと思います。
3回目(今回)の確定申告 二人分やりました
今回の確定申告では2人共に65万円の控除をいただくために両方複式簿記で全力を出してみることにしました。
前年使った確定申告ソフトを引き続き使うのも手でしたが、自分はプログラマなので、Google Driveのスプレッドシート+Google Apps Scriptを使って人件費以外は0に抑えることを目指しつつ頑張ってみることにしました。これはまた別の話なので、別の機会に書くかもしれません。
夫婦2人分の確定申告の手順
夫婦2人分の確定申告をどちらか1人が担当して行う場合の手順となりますが、それぞれやっても情報共有さえしていれば問題ないと思います。
記帳フェーズ
自分の分は自分のタイミングで記帳すれば良いのですが、面倒くさがりの人にこまめに記帳してねと言っても無理なので、月に1回全ての領収書の類を出してもらって記帳します。基本的には自分判断ですが、わからないものについては聞いて記帳します。別に確定申告でなくても家計簿をつける人でもやった方が良いかもしれませんね。生活費分のものは要らないので捨ててしまいます。
銀行口座からの引き落としやクレジットカード払いについては領収書が無かったりします。クラウド会計ソフトを使っていれば自動的に集計してくれますが、個人的にはマネーフォワードに口座を登録しておいて都度参照しています。
書類集めフェーズ
国民健康保険や国民年金、国民年金基金、確定拠出年金などの年金や、ふるさと納税、生命保険の証明書、源泉徴収されている場合には支払調書などが11月くらいから年始にかけて自宅に届いたり、直接受け取ったりします。あたりまえですが一箇所にまとめておきましょう。
申告書作成フェーズ
基本的には月に1回でも記帳していれば直前で慌てることも無いと思います。青色申告の計算もエクセルやGoogleスプレッドシート等に任せておけば間違いません。控除などの記入さえすれば問題なしです。
ただし、過信はいけません。エクセルやスプレッドシートでは提出用の帳票は作れませんので、国税庁のHPの確定申告等作成コーナーに転記することになりますが、験算と思って自分で作ったものが正しいか確認しながら行いましょう。
夫婦2人分の確定申告のポイント
夫婦二人分の確定申告やっていていくつかのポイントがあったような気がします。
ポイント1 個人事業主でも配偶者控除は受けられる
ネットで配偶者控除について調べると、ケーススタディとして専業主婦の場合やパートタイマーなどの給与所得者の場合ばかり出てきます。この記事を書こうと思ったそもそものモチベーションはここにあります。
専業主婦などで所得がない場合は配偶者控除が受けられます。パートタイマーなどの給与所得者の場合も基礎控除38万円と給与所得控除65万円の控除が受けられるので103万円以内の場合は38万円の配偶者控除が受けられます。103万円を超える場合であっても、所得が141万円以下であれば幾ばくかの配偶者特別控除が受けられます。
個人事業主の場合も同様となりますが、給与所得控除の65万円ではなく、青色申告の控除額(10万円または65万円)が基準になります。実際にやるとわかりますが、こちらの申告書Bの⑨所得金額合計が76万円(141万円 - 65万円)以下である場合は配偶者所得控除または配偶者控除が受けられると言う事になります。
国税庁のHPの確定申告等作成コーナーで配偶者控除の入力フィールドは3個ありますが、個人事業の場合は3つめの「その他の収入」のところに入力することになります。※ 間違って給与の所に入れて控除額が多いな!なんてヌカ喜びするようなマヌケな自分のようにはならないでください。印刷後に気がついたので紙とインクのムダです。
ポイント2 所得の低いと思われる方から先にやる
最終的なアウトプットはどちらからやっても当たり前ですが変わりません。
しかしながら、所得の少ないと思われる方からやった方が良いかと思います。と言うのも、配偶者控除や配偶者特別控除が関わってくるのためです。所得が多い方は配偶者控除を受けられますが、所得が多い方からやると二度手間になってしまいます。
前回までの確定申告では、奥さんの青色申告の控除が10万円だったので配偶者特別控除の対象外だったのですが、今回は65万円の控除があったため配偶者特別控除が受けられるようになりました。
可能ならば65万円の控除を受けられるようにしましょう。差額の55万円の控除の差だけでなく、配偶者控除も受けられる恩恵があります。
ポイント3 社会保険料控除は所得の多い方に寄せる
国民年金や国民年金基金などの社会保険料控除は扶養者の控除にすることが出来ます。夫婦ともに個人事業主である場合も同じです。正確には自動引き落としなどで支払った場合はその口座の持ち主からしか控除できないようですが、窓口納付やコンビニ支払いなどの場合は出来ないようです。
自動引落などで支払った場合は、その口座の持ち主からしか控除できません。不便ですが、あえて自動引落から窓口納付に変更して、夫婦全体で有利な扱いを受けるという方法もあります
と言う訳で、所得の多い方に控除を寄せられるように支払い方法を予め設定しておくと良いでしょうが、このあたりは日々の面倒事をする時間的コストとの兼ね合いになります。もし、今まで知らずにそれぞれが控除を受けていたのであれば見なおしてみると良いかと思います。
因みに、東京都の国民年金基金の支払い方法は銀行口座からの引き落としのみしか対応していません。事前にどちらの所得が多くなりそうかわかっているのであれば、多くなりそうな方の口座から引き落とすのがよろしいかと思います。
まとめ
夫婦共に個人事業主の場合でも配偶者控除は受けられます。事前準備を怠らずに確定申告しましょう。基本的な確定申告の方法は調べればすぐわかります。今からさかのぼって去年の収入を増やすことは出来ませんが、確定申告で取り戻すことは出来ます。
頑張りましょう。
フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。
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こちはら自分が開業する前に唯一読んでためになった本です。